​Form 3L 導入事例

さまざまな現場でどのようにForm 3Lが活用されているのかをご紹介します。

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Black Diamond社がいかにForm 3Lを使って、大衆受けする登山用具のプロトタイプを製作しているか​

この記事では、登山用品のプロトタイプをForm 3Lを使って3Dプリントしているアメリカの登山用品メーカーであるBlack Diamond Equipment社の取り組みをご紹介します。

​引用元:Formlabs公式HP ”How BlackDiamond Prototypes Crowd-Pleasing Gear on the Form 3L”(英文)

https://formlabs.com/blog/how-black-diamond-prototypes-gear-form-3l/

​はじめに

​Black Diamond Equipment社はもう何十年も、斬新な登山やスキー用具を作り続けています。着心地の良さ、耐久性と性能の高さで知られるBlack Diamond社の製品はいずれも、厳しい設計工程、試験や反復検証を経て、商品化されたものです。

同社はこれまで、登山用ヘルメットから非常用具にまで至る全品目の実寸大プロトタイプの製作を外部に委託していました。商品化を検討する家庭で製作するプロトタイプを実物大にするのは、同社のプロダクトデザイナーやエンジニアが、実際に人が着用した時の状態を確認しながら設計改良を加えていけるようにするためです。同社はこのようなプロトタイピングを続けてきたことが、発売当初から確実に広く受け入れられる高性能製品を開発できる大きな要因の一つです。しかし、実寸大のプロトタイプの製作をサードパーティに外注すると、納品まで時間が掛かるため、イノベーションのスピードが鈍る(また同時に製作費も膨らむ)のも確かです。

そこでBlack Diamond社は最近、Formlabsが開発した大型フォーマット用の3DプリンターForm 3Lを従来の大型製造設備の数分の一の価格で購入し、実寸大のプロトタイプを社内で製作できるようにしました。

同社では何年も前から設計工程に3Dプリントを取り入れてきており、すでにデスクトップ型3DプリンターのForm 2を4台使って、小型製品の実寸版や大型製品の縮小版のプロトタイピングを内製化しています。しかし、これまではデスクトップ型3Dプリンターに備わっている標準的なビルド容積では、製作スペースに限りがあるため、大型製品の実寸大のプロトタイピングは断念するしかありませんでした。そうした中でBlack Diamond社は、Formabsがヒューマンスケールのプロトタイピングを可能にする特大のビルド容積を備えた光造形(SLA)方式の3DプリンターForm 3Lを開発したことを知りました。

Form 3Lのリリースは同社にとってまさに朗報で、これまで断念せざるを得なかった大型製品の実寸大のプロトタイピングを内製化してイノベーションの幅をさらに広げるチャンスが到来したと感じました。

​Black Diamond社の研究開発部に所属する技術者おんマット・テッズイは早速、Form 3Lの使い勝手を確認できる、実践学習の場に身を置くことになり、そこでGrey ResinとTough 2000 Resinを使って、この大型3Dプリンターで実寸大のプロトタイプを製作してみました。この先を読み進んでいくと、Black Diamond Equipment社が大型のSLA 3Dプリント設備を社内に導入した真の理由が明らかになり、この戦略的投資活動が社内の製品開発にどのような影響を及ぼしているかを学ぶことができます。

​フィードバックとデザインの間のギャップを縮める

「Form 3Lを使い始めると、プロダクトデザイン工程の一体感が高まります。CADデータに変更を加えてプリント工程に着手するところですが、これからはフィードバックとデザインの間のギャップがすくなくなっていくことを期待しています。」

Black Diamond社の製品開発は、設計した製品を自ら試してみながら、改良を重ねることを厭わないチームの熱意にささえられています。同社で商品化されている製品はどれも、並外れた製品が誕生したと納得するまで社内で繰り返される厳しいフィードバックとそれに応える改良作業を続けてきた設計開発チームの献身的な努力の賜物です。マットの担当業務は、同社の主力製品カテゴリーに含まれる全品目の新バージョンを開発する際の検討に必要な新しいプロトタイプを製作して、それをプロダクトデザインやエンジニアリングを担当する各チームに展開し、それぞれから届くフィードバックに応じて試験を繰り返すことです。

彼は、ピカックス、ショベルやヘルメットといったより大きめの製品のプロトタイピングを行っている時 に問題に遭遇しました。こうした寸法の大きなアイテムの場合、最終的な形状の決め手となるのが、 ユーザーが実際に使用した時の感触です。しかし、Form 2のビルドプラットフォームだと、こうした 大きめの製品の実寸大のプロトタイプを製作するだけのビルド容積は確保できません。そのため、 マットのチームは、外部の業者に実寸大のプロトタイプ製作を委託せざるを得ませんでした。外注 した実寸大プロトタイプのプリント代は最大で$425掛かりました。また、どれだけ急いでも納期を一 週間より短くできず、その間、設計開発工程を先に進められませんでした。

Formlabs Form 3L 3Dプリンター 光造形 雪崩救出用ショベル

▲雪崩救助用ショベルの最終製品と横並びに置かれたその3Dプリント版

「それまで外注していた頃は、1プリント$425も掛かっていた実寸大プ ロトタイプのプリント単価が$70に抑えることができるようになりました。 このように製作費を大幅に節約できるようになったので、Form 3Lの購 入費はほんの3カ月程度で回収できました。」

Formlabs Form 3L 3Dプリンター 光造形 外部委託 内製化 所要時間 コスト 比較

「Grey Resinを使ってForm 3Lでプリントしたパーツの品質は、Form 2 で同じレジンを使ってプリントしたパーツよりも高かったです。Form 3L のプリントでは、細かな形状まで非常に高い精度で再現されていました。 また、Form 3LでTough 2000 Resinを使ってプリントしたパーツを見た時、 その表面仕上げの質の高さに度肝を抜かれました。」

「このプリンタを二年前から導入できていれば、アルミローブ構造のプ ロトタイプの製作費を大幅に削減できたでしょうね。Form 3Lを使える ようになった今、これからこのプリンタが大活躍するプロジェクトが数 多く出てくることが容易に想像できます。」

​使い慣れたエコシステムと直感的なワークフロー

「Form 3Lが現場に届いた一時間後には、それを使ってプリントを開始 していました。社内には以前からFormlabsプリンタの他の機種を使っ ていますので、そのエコシステムには慣れ親しんでいます。なので追加 の研修を全く受けなくても、Form 3Lをすぐに立ち上げて使い始めるこ とができました。」

Form 2 3Dプリンタを以前から使っているマットにとっては、Form 3Lのセットアップ作業は至っ て簡単でした。それもそのはずで、Form 3Lでも他のFormlabsプリンタと同じプリント準備ソフト ウェアのPreFormを使いますので、プリントの準備をこれまでと同じ流れ作業で完了できます。 マットはForm 3Lが導入されてから、このプリンタを週7日の24時間体制でフル稼働させ、他の Formlabsプリンタを使い慣れているチームにノンストップのスループットを提供できるようにする のに、それほど時間を要しませんでした。 Formlabsではどのプリンタも直感的に動き、操作しやすいように設計していますので、3Dプリント のビギナーであったとしても、すぐに使いこなせるようになります。Form 3Lもその例外ではありま せん。Formlabsのエコシステムにすでに馴染みのあるユーザーであれば、Form 2またはForm 3 と並行してForm 3Lを難なく使い始めることができます。マットは早くも、現場に設置されている複 数のFormlabsプリンタを活用するプロジェクトに取り組み始めています。そうしたプロジェクトで は、Form 3Lで大型のベースプリントを作成しながら、Form 2で小さなクリップを同時にプリント させるようにしています。この手法は用いると、設計工程を加速させ、複数の部品を組み合わせる 必要がプリント製作を同時進行させ、プロジェクトを短期間に完了できるになります。

「サイズの小さなパーツをForm 3Lでプリントしたらどうなるか試して みたところ、仕上がりがForm 2よりも良いことが分かりました。特に違 いが顕著に表れたのは、Clear Resinを使ってプリンタしたパーツの透 明度の高さでした。」

Formlabs Form 3L 3Dプリンター 光造形 ヘルメット 試作品
Formlabs Form 3L 3Dプリンター 光造形