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レジンカートリッジはForm2・Form3・Form3Lで互換性があります。
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Formlabs 歴代3Dプリンター完全ガイド
魅力や特徴を徹底紹介


2021年にはソフトバンクグループの投資ファンドから大型資金調達も果たした、
今最も勢いのある3Dプリンターメーカーとも言えるFormlabs(フォームラブズ)。
高いユーザビリティと産業用に匹敵する造形精度を実現した3Dプリンターを低価格で提供し続け、世界中のプロフェッショナルから高い評価を得ている彼らは、2021年6月1日に、同社初となるSLS方式(レーザー焼結型)3Dプリンター「Fuse 1」を発表した。
ユニコーン企業として勢いを増すFormlabsについて、改めて紹介したい。
約10年前、アメリカの学生が立ち上げた小さな3Dプリンターメーカーは、世界から注目される企業になるまで、いったいどのような3Dプリンターを提供してきたのか。
これまで発表された3Dプリンターの紹介と共に彼らの軌跡を辿りたい。
目次
Formlabsとは?

Formlabsは2011年にMITメディアラボ(マサチューセッツ工科大学 (MIT) 建築・計画スクール内に設置された研究所)
の学生3人が立ち上げたアメリカ発の3Dプリンターメーカーだ。
巨大で高額な産業用プリンターから、”もっと手軽に安価で利用できる3Dプリンターを世界のプロフェッショナルに届けたい”
という理念のもと設立された。
その理念に基づき、高いユーザビリティ、高精度、高精細の3Dプリンターを産業用スペックに近いまま、安価で提供をし続けている。
現在では全世界7万台以上の導入実績、7000万パーツ以上の造形実績を持ち、この数字は世界最多とされており、
数字からもわかるようにプロフェッショナル向け3Dプリンターとしての評価は高い。
2013年、業界初のデスクトップタイプ光造形3Dプリンターの登場、そして「Form 2」へ

Formlabsが最初にリリースした3Dプリンター「Form 1」は、これまで大型で高額が一般的とされていた光造形3Dプリンター分野で初の”デスクトップ型”かつ”安価”を実現した製品となっている。
「Form 1」の課題であった造形精度を向上させたのが「Form 1+」。
しかし「Form 1+」ではレジンの自動補充機能は搭載されていなかったため、レジンが足りなくなるタイミングでユーザー自ら補充をしなくてはいけなかったことが更なる課題だった。
それを改善したのが2015年に発表された「Form 2」だ。
カートリッジシステムやセンサー機能の搭載によりレジンの自動補充が実現、そしてピーリングメカニズムの採用で安定した造形を可能にした。
Form 2の特徴
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カートリッジシステムとセンサー機能の搭載で以下を実現
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レジンの自動補充
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造形エラーの特定
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レジンの温度/粘度を最適化
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スライド式ピールメカニズム(力がかかる垂直ではなく、斜めに造形物をレジンタンクから剥がす機能)とワイパー機能(ワイパーがレジンタンク底面を横切り、レジンタンクのシリコン層に対して空気を触れされる機能)が合わさることにより、安定した造形精度を保つことが可能に
後処理機「Form Wash」と「Form Cure」での登場で、造形物の品質を確実に向上

光造形で忘れてはいけない工程は”後処理”だ。後処理が造形物の品質を大きく左右する。
「Form Wash」(自動洗浄機)と「Form Cure」(二次硬化機)の登場で、簡単かつ確実に材料の物性を引き出すことができるようになった。
Formlabsの供給するレジンは造形後の洗浄、二次硬化にそれぞれに最適な条件が定義されている。「Form Wash」「Form Cure」を使えばデータシートに忠実かつ簡単に後処理を行うことが可能だ。
Formlabsが考え抜いた、”ユーザーにとって、ストレスのない運用”が「Form Wash」「Form Cure」の登場により実現し、3Dプリンターエコシステムが光造形分野で遂に完成された。
Form Washの特徴
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ビルドプラットフォームを直接取り付けられ、素手のまま造形物を取り外すこと無く洗浄することが可能
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「Form Wash」タンク内のIPAはプロペラで攪拌され、造形物に残留するレジンを確実に洗浄
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洗浄時間は予め設定することができ、洗浄後は自動的に乾燥
Form Cureの特徴
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材料の硬化に最適な405nmの波長の光を照射
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内蔵のヒーターが炉内を硬化に最適な温度に保つ
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時間、温度を最適な条件で二次硬化させることにより、材料の物性を簡単にかつ確実に引き出すことが可能
2019年、次世代の3Dプリンターとして「Form 3」が登場
大ヒットとなった「Form 2」の後継機として登場したのが「Form 3」だ。
発表会が行われたドイツでの世界最大の産業見本市”HANNOVER MESSE”とアメリカ・シカゴでの”AMUG”には、その姿を一目見ようと大勢の人が集まった。



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▲ドイツ、ハノーファーでの発表会の様子
その他にも以下の特徴が、「Form 3」を”次世代の3Dプリンター”と呼ぶにふさわしい製品となっている。
Form 3の特徴
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レジンの自動加熱
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レジンの自動補充
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レジンの温度/粘度を最適化
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高い再現性と造形品質を実現
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より完全で美しく滑らかになった表面仕上がりの実現
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弱い力で除去できるサポート材
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直感的なUIで、より良いユーザー体験へ
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大幅に数を増やし、増強された各部センサー
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ソフトウェアの改善により、起こり得るユーザーエラーを軽減
▲Form 3の基本的な使い方についての動画
約5倍のビルドボリュームを実現、「Form 3L」の登場

2019年にドイツで開催された世界最大の産業見本市”HANNOVER MESSE”及びアメリカでの"AMUG"では、「Form 3」の他に、ビルドボリュームが5倍になる大型機種「Form 3L」も発表された。
Form 3の特徴をそのままに、大きな造形物に合わせ、2倍のレーザーパワー、交換可能なLPU(ライトプロセッシングユニット)を2台搭載しているため、巨大な造形サイズとスピードを両立しつつ、精度を担保した機種となっている。

▲Form 3とForm 3Lの仕様比較 より詳しい仕様については
▲Form 3とForm 3Lの紹介動画(本体サイズの比較がわかりやすい動画となっている)




▲Form 3Lの造形物ギャラリー
Form 3でも使える大型後処理機「Form Wash L」「Form Cure L」が登場

2022年発売の大型自動洗浄機「Form Wash L」と大型二次硬化機「Form Cure L」は、Form 3Lはもちろん、付属のアダプターをつけることにより、Form 2やForm 3の後処理機としても使用ができる。
Form 3Lで造形した大きな造形物の後処理も、Form 2やForm 3で造形した小さな造形物を一気に後処理することも可能になり、よりスピーディーに、そして後処理の負担を最大限に抑えることが可能になった。

Formlabs初となるSLS方式3Dプリンター「Fuse 1」を発表、
更なる市場拡大へ

2017年にアメリカで開催された”Digital Factory 17”にて、初めてプロトタイプがお披露目された「Fuse 1」。
同社初となるSLS方式(レーザー焼結型)3Dプリンターだ。




▲2017年のお披露目イベント時のギャラリー イベント時のレポートは以下記事より
約7年の開発期間を経て、従来数千万円が主流だったSLS方式3Dプリンターを約10分の1の価格での提供を実現。
「Formシリーズ」で挙がっていた、試作品利用のみにとどまらず、最終製品や最終パーツの製造に3Dプリンターを活用したいという声に応えるように「Fuse 1」の提供を開始した。
”生産を可能にしたソリューション”としてプロトタイプの造形から、最終プロダクトの量産をも可能にする3Dプリンターとして注目を集めている。
Fuse 1 の特徴
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サポート材不要のため、複雑な形状の造形が可能
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省スペース
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工業スペックはそのままで低価格を実現
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独自のテクノロジー”Surface Armor Technology”により、品質や機械的特性を確保
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設定や操作が難しいとされてきたSLS方式3Dプリンターだが、Form 3やForm 3L同様、シンプルなワークフローでストレスフリーな体験を実現。誰でも簡単かつ安全に操作ができる。
Fuse 1のスペックや機能などの詳細については
▲Fuse 1紹介動画




▲Fuse 1の造形物ギャラリー
今回のSLS方式3Dプリンターの登場により、Formlabsは製造業界全般、特に自動車や航空宇宙分野への市場拡大に、より一層力を入れていくだろう。
日本への展開も2021年6月1日に正式発表され、YOKOITO Formlabs Shopでも取り扱いを開始している。
後処理機「Fuse Sift」の同時展開で、SLS方式3Dプリンターでも”完成されたエコシステム”を実現

「Fuse 1」の後処理機として同時展開された専用パウダー回収ステーション「Fuse Sift」。
部品の抽出、粉末回収、保管、ミキシングなどの後処理に必要な工程を直感的なタッチスクリーンを使い、ワンクリックで操作が可能となっている。簡単に操作が可能な上、安全かつ効率的な後処理機だ。
これまで、ほとんどのシステムではプリントの品質を保つためにわずか数サイクルでパウダーを捨てなければいけなかった。
しかし「Fuse 1」専用材料である、「Nylon 12 Powder」と「Nylon 11 Powder」ではリフレッシュ率(新しいパウダーが必要な最小比率)が30%〜50%となり、材料を無駄にせず環境に配慮された材料となっている。「Fuse Sift」では安定した、リサイクルパウダーと未使用パウダーをの自動ミキシングを実現した。
Formlabsは、SLS方式の分野でも「Fuse Sift」の登場によってエコシステムは完成され、光造形と同じく”ユーザーにとって、ストレスのない運用”が実現した。