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Formlabs社製3Dプリンター Form 3+ / Form 3B+ でプリント・洗浄・乾燥後に使用する二次硬化機Form Cureについて解説します。
そもそもForm Cureって何?
Form CureはFormlabs社が提供する二次硬化機です。
光造形方式の3Dプリンターではプリント・洗浄・乾燥後に二次硬化の工程が必要となります。この二次硬化を自動で行う機器となります。プリントが終わり二次硬化をしていない段階では、レジンの重合がまだ完全に完了していません。加熱を行いながら紫外線を照射し、プリントしたモデルをより硬化させ物性を引き出して安定させます。
導入するメリットは?
Formlabs社のレジンはその様々な特徴の物性を達成するためにForm Cureでの二次硬化を行うことを必須としたレジンが多いです。そのため想定される物性を安定的に引き出すためにはForm Cureを導入することを推奨いたします。
過剰な二次硬化はレジンによっては脆くなったり反ったりすることがあります。そのため二次硬化の設定は、硬化しすぎないように時間と温度の両方を調整する必要があります。
Formlabs社の各レジンは最適な温度と時間が決定されており、Form Cureを使用すれば最適な二次硬化を実施することができます。二次硬化後の物性もテクニカルデータシートで公表されています。特に生体適合性材料の場合その安全基準を達成するには、Form Cureでの二次硬化が必要となります。
どんなパーツで構成されている?
1.カバー
キュアチェンバーは、内部の熱が外に逃げないように、二重壁で覆われ、内部の壁面は光を反射するようになっています。
2.ヒータ
チェンバー内の温度を80°Cまで上げることができる100Wの加熱モジュールが備わっています。
3.LED
パーツの二次硬化に適した405nmの光を照射するLEDが13個搭載されています。カバーが開いている時、ならびにチェンバが加熱中の時は、二次光源の光がターンテーブルを照らします。
4.ターンテーブル
パーツを置く回転式の台で、回転しながら、パーツの露出面をすべてバランスよく二次硬化させます。メンテナンスの際に取り外すこともできます。
5.ディスプレイ
二次硬化中の状態、時間、温度やForm Cureのその他の設定用オプションを表示します。
6.ノブ
回すか押すことで、二次硬化の時間や温度設定を調整したり、二次硬化の運転状態(開始、一時停止、終了)を操作したりできます。
7.電源
Form Cureに電力を供給します。
UVの波長は?
405nmの紫外線を照射しています。
UVは直接見えますか?危険ではないですか?
Form Cureのカバーを開けると紫外線照射はストップする機構になっていますので、安心してお使いいただけます。
UV照射にムラはありませんか?
Form Cureの内部の上部・下部・側面から紫外線が照射されます。内部はハーフミラーで仕上げられており、ターンテーブルで二次硬化するモデルを回転させ、ムラなくモデル全体を二次硬化することができます。
なぜ加熱をするの?
Form Cureではヒーターで加熱を行いながら、紫外線の照射を行います。予熱からスタートし、庫内がと目標の温度に達したら紫外線を照射し始めます。予熱の段階からパーツもForm Cureの内部に入れて一緒に温めるようにします。
モデル内部まで二次硬化させるためには、単純な紫外線の照射だけではなく、二次硬化の化学反応をより進めるために熱が必要となります。特に不透明なレジンや分厚い形状のモデルでは熱が重要になります。熱は重合のプロセスを加速し、紫外線のみでは達成できない材料特性の向上をもたらします。
二次硬化すると造形物は収縮する?
ポリマーの結合数が増えると、素材がより密に硬化します。そのため、二次硬化によって若干の収縮が発生しますが、各レジンのプリント設定は、プリント時や二次硬化時に予想される収縮を考慮して設定されておりますのでご安心ください。
どのくらい二次硬化に時間がかかりますか?
レジンごとに適切な温度と時間が設定されています。例えばスタンダードレジン(White, Grey, Black)の二次硬化の設定は60℃で30分間です。ほとんどのレジンが5-60分間、最大で120分間の二次硬化時間となります。
二次硬化を行う際の注意点は?
以下のような点にお気をつけください。
洗浄後、しっかりと乾燥してからForm Cureでの二次硬化を行ってください。
二次硬化が完了するまではニトリル手袋を装着し、液体レジンや造形物を素手で触らないでください。
二次硬化が完了するまでは造形物が柔らかいので傷がつきやすいです。
変形や割れを防ぐためForm Cure / Form Cure Lの予熱の際、造形物も入れておきます。
Form Cureは絶対購入しないといけない?
Formlabs社のレジンでのForm Cureでの二次硬化の要不要は以下に分類されます。(2022年12月現在)
二次硬化が不要
二次硬化が必須ではない
二次硬化が必須
1.二次硬化が不要
洗浄・乾燥が完了すれば鋳造の工程に移れます。
Castable Waxレジン
Castable Wax 40レジン
2.二次硬化が必須ではない
必須ではないとされるが二次硬化の設定は存在しており、実施した方がより強度が上がりサラッとした仕上がりになります。
Clearレジン
Whiteレジン
Greyレジン
Blackレジン
Draftレジン(二次硬化なしではベタついた仕上がりになる傾向があります。)
Color Kit
3.二次硬化が必須
上記以外のその他のレジンは性能を引き出すために、Form Cureでの二次硬化が必須です。
特に生体適合性材料はForm Cureでの二次硬化が必須となります。
Formlabsの生体適合性レジンは、FDAが承認したワークフローで検証されています。生体適合性アプリケーションに使用することを目的とした造形物は、Formlabsが検証と設定をしたプリント・洗浄・二次硬化の手順を経る必要があります。
Form Cureでの二次硬化は、これらのワークフローにおいて重要な役割を担っています。徹底したプロセスの後、Form Cureで決められた設定での二次硬化の実施を行うことでプリントされたモデルが生体適合アプリケーションのための最適な機械的特性を持ち、安全に使用できることが保証されます。
複数台のForm 3+を使用する場合、Form Cureは複数台必要?
Form 3+ / Form 3Bの運用台数・使用頻度にもよりますが、2-3台規模でしたらForm Cureは1台でも対応可能かと思います。
台数が多い・二次硬化の頻度が高い場合は、複数台のForm CureまたはForm Cure Lを運用することも効果的です。
Form 2を使用していて、Form 3+を購入する場合、引き続きForm Cureは使える?
はい。
Form 2とForm 3+ / Form 3B+では同じForm Cureもそのままお使いいただけます。
ビルド範囲がForm 3+ / Form 3B+ではForm 2と比べてZ軸方向に10mm大きくなっていますが、問題なく引き続きご使用いただけます。
Form 3Lのサイズに対応する二次硬化機はある?
はい。
Form 3L / Form 3BLのサイズに対応したForm Cure Lがあります。
Form 3L / Form 3BLを使用してForm 3+ / Form 3B+でプリント可能なサイズのものをプリントした場合は、Form Cureでも二次硬化可能です。
また、Form Cure LではForm Cureよりも余熱工程が早く完了するので、Form 3+ / Form 3B+を複数台ご使用されるなど頻繁に大量にプリントされる方にもおすすめです。
Form Cureの購入方法は?
オンラインショップでのご購入・お見積もりでのご対応が可能です。
今回はFormlabs社のForm Cureについて解説しました。Form Cureは任意のオプション品ではありますがレジンの物性を確実に引き出すため、生体適合性レジン等の二次硬化が必須のレジンを使用される場合にはご導入いただきたい機器です。Form 3+ / Form Wash / Form CureというFormlabs社の一貫したワークフローの製品群で確実な3Dプリントを行いましょう。
ご導入ご検討の際はお気軽にお問い合わせください。
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