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Formlabs社製3Dプリンター Form 3+ / Form 3B+ でプリントした後に使用する自動洗浄機Form Washについて解説します。
そもそもForm Washって何?
Form WashはFormlabs社が提供する自動洗浄機です。
光造形方式の3Dプリンターではプリント後に未硬化レジンの洗浄が必要となります。この洗浄作業を自動で行う機器となります。
導入するメリットは?
Form Washを導入することによってプリントのワークフローがより効率良くなります。
特にプリント直後の未硬化レジンでベタベタの造形物をビルドプラットフォームから取り外さず、そのままForm Washに取り付けて洗浄を行える点が洗浄を行う作業者の負担が大きく減ります。使い方も簡単で、片手の操作で洗浄時間の指定や洗浄スタートが可能です。
洗浄をスタートさせ、指定時間の洗浄を終えると自動的に洗浄液から引き上げることができるので、洗浄液に指定時間以上漬けてしまうといったことが避けられます。あわせてForm Cureも導入することで一貫したワークフロー・安定したクオリティでプリントしたものの後処理と仕上げをすることが可能となります。
レジンによって推奨洗浄時間は異なりますが、ほとんどのレジンで5〜20分程度洗浄します。Form Washを使用すれば、作業者は洗浄中にその場を離れて他の作業を行うことができます。
どんなパーツで構成されている?
Form Washは以下のパーツで構成されています。
1.プラットフォームマウント
ビルドプラットフォームごと洗浄する時に、これでをビルドプラットフォームを保持します。
2.バスケット
ビルドプラットフォームから取り外したパーツを洗浄する時に入れるカゴです。
3.バスケットマウント
バスケットの上げ下げを行えるようにするホックです。
4.外蓋
溶剤の蒸発を防ぎます。Form Washを使用してしない時は必ず外蓋を閉じた状態にしておいてください。
5.内蓋
洗浄バケットからパーツを上げ下げする時に溶剤がこぼれないように開閉する丁番付きの二番目の蓋です。
6.洗浄バケット
溶剤を8.6Lまで入れることができる取り外し可能な容器です。底に付いている回転式の羽根がバケット内の溶剤を循環させます。溶剤の交換・清掃メンテナンスの際はバケットを取り外して行います。
7.ディスプレイ
Form Washの状態、洗浄時間やその他の設定用のオプションを表示します。
8.ノブ
回すか押すかして、洗浄時間の調整や洗浄サイクルの運転状態(開始、一時停止、終了)を操作することができます。
9.ツール保管場所
各ツールを保管する指定の場所が各側面に設けられています。
10.電源
Form Washに電力を供給します。
何が付属しているの?
Form Washには以下のツールが付属しています。
フラッシュカッター
リムーバルツール
比重計
スクレーパー
ピンセット
サイフォン式ポンプ
生体適合性のあるレジンを使用する際は、工具類も生体適合性のないレジンとの使い分けが推奨されます。Finish Kitに付属のツールと共通のものもあるので、生体適合性の有無で使い分けることができます。
超音波洗浄ですか?危険ではないですか?
Form Washは超音波ではなく、バケツに取り付けられたプロペラが回転することによって洗浄液を攪拌し、洗浄を行います。プロペラにはマグネットが組み込まれており、マグネチックスターラーのように回転しています。バケツとモーターは完全に独立したパーツになっており、IPAを使用しても安全な仕組みになっています。
洗浄液は何を使用する?
Formlabs社はIPA(イソプロピルアルコール)またはTPM(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル)を推奨しております。生体適合性レジンをご使用の場合は、その生体適合性を担保するためにはIPAのみお使いいただけます。
IPA・TPM以外の洗浄液は使える?
推奨の溶剤ではない場合、洗浄液を攪拌するという機能は使えるかと思います。Formlabs社推奨ではない洗浄液を使用する際は以下に注意して自己責任でご使用ください。
モデルの変形・破損の可能性
プリントしたものがデータシート通りの物性にならない可能性
Form Washを構成する素材・塗装への影響
トラブルが発生した場合は、通常使用ではないためメーカー保証外となります
洗浄液はどれぐらい必要?
Form Washで洗浄を行うには9L程度の洗浄液が必要となります。
洗浄液は繰り返し使える?
はい。
洗浄液は繰り返しご使用いただけます。Form Washのバケツの内部に洗浄液を保管することが可能です。洗浄・二次硬化しても造形物にベタつきが残る等、洗浄液のレジンの濃度が高くなった場合に交換ください。
洗浄液は購入できる?
はい。
IPA・TPM共にご購入いただけます。オンラインショップでは取り扱っていない商品になりますので、お見積もりでのご対応になります。
洗浄液を分けて洗いたいけれど、バケツだけを購入できる?
はい。
オンラインショップでは取り扱っていない商品になりますので、お見積もりでのご対応になります。
どんなレジンを使用するとき洗浄液を分けたほうが良い?
複数のレジンをプリントし、下記レジンのようなものを扱う際にはバケツを別にしていただくことで、よりよい洗い上がりになります。
Rigid 4000 / Rigid 10K(ガラス粉末含有)
Castable Wax / Castalbe Wax 40(色が濃い)
Black(色が濃い)
White(色が薄い)
ESD(黒い粉末含有)
バケツを替えても本体パーツがIPAと接触するため、生体適合性のあるレジンを洗浄する際は、Form Washを複数台を用意していただくか、Finish Kitを使用するなど、生体適合性のないレジンとは完全に切り分けた洗浄方法を推奨いたします。
複数台のForm 3+を使用する場合、Form Washは複数台必要?
Form 3+ / Form 3Bの運用台数・使用頻度にもよりますが、2-3台規模でしたらForm Washは1台でも対応可能かと思います。
台数が多い・洗浄の頻度が高い場合は、予洗い用Form Wash・すすぎ用Form Washといったように運用することが効果的です。洗い分けた方が良いレジンを使用する場合も、専用Form Washをご用意いただくこともぜひご検討ください。
弊社プリントセンターでは10数台のForm 3を運用しておりますが
予洗い用Form Wash
すすぎ用Form Wash
Rigid 4000&Rigid 10K用Form Wash
ESD用Form Wash
を使用しております。
生体適合性が必要なモデル・Castable Wax / Castable Wax 40は洗浄スペースの関係上、現状手動で洗浄していますが、こちらも将来的にそれぞれForm Washで洗浄したいと考えています。
Form 2を使用していて、Form 3+を購入する場合、引き続きForm Washは使える?
はい。
Form 2とForm 3+ / Form 3B+ではビルドプラットフォームは共通になっており、Form Washもそのままお使いいただけます。
ビルド範囲がForm 3+ / Form 3B+ではForm 2と比べてZ軸方向に10mm大きくなっていますが、問題なく引き続きご使用いただけます。
どんな場所に設置すれば良い?
洗浄液(特にIPA)は匂いがあるので、換気ができる場所に設置してください。
Form Washを購入しない場合はどうやって洗浄する?
Form 3+ / Form 3B+に付属しているFinish Kitを使用し手動で指定の時間洗浄します。
Form 3Lのサイズに対応する自動洗浄機はある?
はい。
Form 3L / Form 3BLのサイズに対応したForm Wash Lがあります。
Form 3L / Form 3BLを使用してForm 3+ / Form 3B+でプリント可能なサイズのものをプリントした場合は、洗浄前にビルドプラットフォームから取り外せばForm Washでも洗浄可能です。
また、Form Wash LではForm 3+ / Form 3B+のビルドプラットフォーム2個を同時に洗浄することもできます。
Form Washの購入方法は?
オンラインショップでのご購入・お見積もりでのご対応が可能です。
今回はFormlabs社のForm Washについて解説しました。Form Washは任意のオプション品ですがプリントワークフローをより簡単に、少ない労力で洗浄工程を行うことができるので、導入をおすすめいたします。Form 3+ / Form Wash / Form CureというFormlabs社の一貫したワークフローの製品群で確実な3Dプリントを行いましょう。
ご導入ご検討の際はお気軽にお問い合わせください。
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