Form 4BとForm 3B+|BioMed材料・造形スピード・精度はどう違う?
- YOKOITO Sales & Marketing
- 3月28日
- 読了時間: 5分

生体適合性を用いた材料を使えるということで、これまで多くの研究開発・評価現場で導入されてきたForm 3B+。
その安定した造形精度や使いやすさから、今も多くのユーザーに支持されています。
しかし近年では、より短納期での評価試作や、柔軟な材料選定、さらに高精度なパーツ造形など、一段上のパフォーマンスを求める声も増えてきました。そうしたニーズに応えるために登場したのが、Formlabsの最新機種「Form 4B」です。
本記事では、Form 3B+との比較を軸に、Form 4Bがどのような進化を遂げているのか、実際の運用シーンを想像しながら紹介していきます。
Form 3B+からForm 4Bへ。Form 4Bの魅力を解説
本項目では、従来機のFormlabs製光造形3DプリンターForm 3B+からForm 4Bへ、どのように進化をしたのか、そしてForm 4Bの魅力を以下を軸にご紹介します。
・搭載技術
・造形スピード
・使用可能材料
・精度
1.基本仕様の違いから見える、技術的な進化
Form 4Bでは、新開発の「LFD(Low Force Display)」技術を搭載し、スピード・安定性・解像度のすべてを向上。
造形時のトラブルを抑えながら、より滑らかで均一な出力が可能となっています。
Form 4BはForm 3B+と比べ、より技術的に進化し、さらに使いやすくなっているのが特長です。
項目 | Form 3B+ | Form 4B |
光学技術 | LFS(ガルバノミラー+レーザー) | LFD(LED+レンズアレイ) |
最大造形速度 | 約40mm/時 | 最大100mm/時(材料により異なる) |
成功率 | 高い | より高く、安定性も向上 |
対応材料 | BioMed材料+一般材料 | BioMed材料+一般材料 |
操作性 | タッチパネル、Wi-Fiなど | 改良されたUI、クラウド接続強化 |
2.試作スピードが飛躍的に向上
従来のForm 3B+では、ある程度のサイズや厚みのあるパーツは4〜6時間ほどかかることが一般的でした。
それに対し、Form 4Bは、新開発の「Low Force Display(LFD)」技術により、最大で約4倍のスピードアップを実現。たとえば、10cm程度の中型モデルであれば、1〜2時間ほどで出力が完了するケースも珍しくありません。
この差は「もう1パターン作ろう」「当日中に確認しよう」といった“一歩踏み込んだ試作サイクル”を実現し、研究・開発のスピードそのものを底上げします。

3.高精度で再現性のある仕上がり

3Dプリントにおいて「見た目のきれいさ」だけでなく、「寸法通りに仕上がるか」「繰り返し同じものが作れるか」は、開発や研究の現場では非常に重要なポイントです。
Form 4Bでは、LFD技術により、極めて均一な光の露光と新構造の樹脂タンクが実現され、歪みの少ない造形と高い再現性を両立。微細なパターンや薄肉形状、複雑な曲面なども、より滑らかで正確に仕上がるようになりました。
寸法精度が重視されるパーツや、組み合わせが必要な構成パーツにおいても、Form 3B+以上の安定した品質が期待できます。
4.BioMedレジン比較表:選びやすく、使いやすいラインナップ
▲BioMedシリーズ材料
Form 4BではForm 3B+同様、生体適合性を用いたバイオ材料の使用が可能です。
以下バイオ材料のラインナップをご紹介します。
材料名 | 主な特性 | 硬さ / 柔軟性 | 主な想定用途 |
BioMed Amber Resin | 高剛性・寸法安定性 | 硬質 | 評価治具、筐体パーツなど |
BioMed Flex 80A Resin | 柔軟かつ強靭 | 中程度の柔軟性 | ウェアラブル試作、装着検証 |
BioMed Black Resin | マット仕上げ・高視認性 | 硬質 | 外観評価、教育用モデルなど |
BioMed White Resin | 不透明・滑らかな表面 | 硬質 | デザイン検証、教育用ツール |
BioMed Clear Resin | 高透明性・耐薬品性 | 硬質 | 流路確認、内部構造の可視化 |
BioMed Elastic 50A Resin | シリコンライクな柔軟性 | 非常に柔らかい(50A) | 装着感テスト、皮膚接触部品 |
BioMed Durable Resin | 耐衝撃性・柔軟性 | 靱性あり | 治具やテストパーツの反復使用に |
これらの材料は、医療機器ではないものの、生体適合性評価をクリアした信頼性の高い開発用材料です。
研究段階の設計検証や、カスタムパーツの開発において、用途に応じた柔軟な材料選定が可能になります。
5.一般材料もバイオ材料も、1台で完結できる利便性

Form 4Bの最大の強みの一つは、1台でBioMed材料とエンジニアリング系一般材料のどちらにも対応していること。
以下のような一般樹脂も使用可能です:
Tough 2000 Resin:機械強度の高い機能試作向け
Rigid 10K Resin:ガラス充填で剛性が必要な部品に
Flexible 80A Resin:柔軟性を持つラバーパーツ試作に
Standard Resinシリーズ:可視化モデルや基本形状の試作に
上記はあくまでも一部ですが、他にも約30種類の材料を使用が可能です。
タンクやプラットフォーム、ミキサーを分けることで、材料の切り替えも安心・簡単。これにより、用途に合わせ1台で部門横断的な活用が可能になります。
まとめ:Form 3B+の実績を継承しつつ、次のレベルへ

Form 4Bは、Form 3B+の操作性や使いやすさを継承しながら、造形スピード、材料の柔軟性、安定性、精度といった面で確実に進化したモデルです。
試作スピードを上げたい
バイオ材料含む多様な材料を1台で運用したい
造形の安定性と精度を重視したい
こうしたニーズがある方にとって、Form 4Bは「次のスタンダード」となる選択肢となるでしょう。
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