光造形方式で3Dプリントされたパーツへのネジの取り付けについて


今回は試作の場面で必要になる3Dプリントされたパーツへネジを取り付ける方法についてformlabsエンジニアによる検証の結果をお伝えします。各種ナットの設置方法やそれぞれの長所短所について詳細にレビューしています。

※原文:https://formlabs.com/blog/adding-screw-threads-3d-printed-parts/

formlabsでは、Form 2(弊社の光造形3Dプリンタ、あるいはSLA 3Dプリンタとも呼ばれます)で出力するための多くの部品を設計しています。部品の一例を挙げると、研究開発に使用される内部プロトタイプ、製造ラインで使用される治具および取付具、最終的にナイロンなどの材料から射出成形する前の設計レビュー用の部品などです。

このような設計工程では、用途を問わず、ネジを使用して複数の部品を組み合わせる必要がよくあります。高性能樹脂Toughが利用できることにより、外見確認用プロトタイプと実際に機能するプロトタイプの違いは少なくなっています。

この記事では、3D出力されたSLA部品にネジを取り付ける方法について説明します。複数の3D出力部品を組み合わせる方法はほかにもたくさんありますが、コンポーネントを繰り返し取り付けたり取り外したりしなければならない場合は、堅牢な金属製のネジ穴に勝るものはありません。

ネジ穴の設計方法の比較

Formlabsでは何年にもわたってさまざまな設計方法を収集し、お客様からも提案を受けてきました。そのうちいくつかを見てみましょう。いろいろな場面での各方法の長所・短所を検討し、全体的に見て優秀なものから順に掲載しています。

プラスチック用、拡張式インサートナット

長所:接着剤不要で、3Dプリンタで出力された部品に強力に接合します。ネジ穴は堅牢で、繰り返しの着脱に耐えます。

短所:高温の環境では締め込みが緩むことがあります。

インサートナットのスペックに対応する深さと直径で、ボス(受け側のプラスチック)を出力します。イソプロピルアルコール(IPA)で洗浄し、二次硬化工程は行わずに乾燥させます。

ボールエンドドライバを使用してボスにインサートナットを挿入し、ネジで完全に締め込んで、プラスチック内に固定します。次に、部品を二次硬化させてクリープの影響を低減し、プラスチック内のインサートナットをさらに強力に固定します。このステップを一番最後に行うことで、インサートナットの締め込み時にボスに亀裂が入りにくくなります。

プラスチック用、熱圧入式インサートナット(接着剤使用)

長所:3Dプリンタで出力された部品に強力に接合します。ネジ穴は堅牢で、繰り返しの着脱に耐えます。

短所:接着剤が必要です。(はんだは使わないで!)

熱圧入式インサートナットは、加熱されたこての先端に装着した専用の部品を使って、熱可塑性プラスチックに固定するものです。アクリルシートや熱溶解積層方式により造形された部品での使用を前提としたものです。フォトポリマー樹脂のSLA部品では形が崩れるだけで溶けないため、使用できません

とはいえ、熱圧入式インサートナットのネジ溝とネジ山、双方を2液性エポキシボンドまたは瞬間接着剤で接着すれば、ネジを追加したい場面で非常に役立ちます。ボスの直径をインサートの最大直径に合わせて設計し、取り付けの際に接着剤を小さめの一滴だけ塗布します。ネジを挿入する前に、接着剤が完全に乾燥して硬化していることを確認してください。

自作のポケットとナット

長所:ナットを使うので、どんな大きさのネジでもすぐに利用できます。

短所:ナット用のサイドポケットにより接着剤が不要になりますが、場所・角度によっては出力自体が難しい場合があります。(サポート材によるサポートができない場合があります)

接合面の裏側に六角形のポケットを追加し、ここにナットを埋め込みます。これによりネジとナットが強固に接合され、また、繰り返しの着脱も可能です。スクエアナットを使用すれば、ねじれに対してより強度を確保できます。

このナットは、プラスチック製でもロック機能付きでも構いません。必要に応じて瞬間接着剤を1滴足せば固定できますが、側面からポケットに入れる形でモデリングすれば、接着剤はまったく必要ありません。圧着するため、ナットの周囲を0.1 mm狭めにオフセットします。また、ねじ自体の周囲の穴は若干の余裕を設けます。

プラスチック用、ねじ切りまたはねじ山形成ねじ

長所:製品版で使用するのとまったく同じ構造をプロトタイプ使用できます。各スクリューメーカーのボス設計ガイドラインに従う限り、Tough Resin(またはDurable Resin)で出力したボスにヒビが入ることはまずありません。

短所:ネジはしっかりと保持されますが、金属製のネジ穴のようには繰り返し使用できません。Standard Resinでも機能しますが、割れやすくなります。

製造元のガイドラインに従って、ボスの寸法や、耐衝撃性の高いエンジニアリング材料(ToughまたはDurableなど)を選択してください。また、ネジを使用する前に、部品を十分に二次硬化させてください。この方法が適するのは、最終的な組立工程でねじ切りねじを使用することを想定として、射出成形部品のプロトタイプをテスト作成するような場合です。

木ネジ

利点:プラスチック用の特殊ネジを購入する必要はありません。

短所:ネジはしっかりと保持されますが、金属製のネジ穴のようには繰り返し使用できません。

木ねじについても弊社のTough Resinでテストを行い、プラスチック用に設計されたねじ切りねじとまったく同様に機能することを確認しました。スクリューボスの穴径は、スクリューの主径(ねじ径)と小径の間のサイズにしてください。写真のネジは、穴径0.16インチの#8木ネジです。

3Dプリントされたネジ穴

長所:比較的大きなネジ穴やカスタム設計のネジ穴を試作できます。

短所:小さなサイズのものは特に、耐久性や再利用性に劣ります。

Standard Resinの方がToughよりもはるかに硬いため、この方式には優れています。これらのネジ穴はサイズによっては壊れやすいため、長期にわたって繰り返し利用するような状況に適しているとはいえません。

一般的に、1/4〜20インチ、またはそれ以上のものだと、後処理の必要がありません。小さなネジの場合は、ネジ穴のカスタマイズが必要になります。たとえば、(ねじとナットの)半円形のプロファイルを出力し、0.1 mmのオフセットを適用すると、両者がより密接に噛み合って接合性が良くなります。ネジ以外の部品を適切な位置に配置し、それらがどのネジ穴にも接触・干渉しないよう注意してください。

おわりに 3Dプリンタにおけるネジの設計にはたくさんの方法がありますが、このガイドがお役に立てれば嬉しいです!記事中で使用した実際のテストモデルを知りたい方は、こちらの.STLファイルをダウンロードしてください。

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無料造形サンプルのご依頼を承っております。この機会に是非formlabs Form2の性能をご体感ください。

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