3Dプリント製パーツへのネジを使った様々な固定方法と材料を用途別でご紹介します。
- 10 時間前
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3Dプリンター製部品へのネジの固定方法や材料選定に困っていませんか?

今回は試作から最終製品の製作では欠かせない3Dプリントパーツとネジ固定についてご紹介いたします。 強固な固定が必要な部品やスピードが求められる試作品、ラピッドプロトタイプなど用途に合わせた最適なネジ固定とFormlabsの高機能材料についてご紹介いたします。

図奥から
1.タッピングビス
2.3Dプリントされた雌ネジ
3.熱圧入式インサートナット
4.ナットポケット
5.六角ナットボス
6.タッピング
7.拡張式インサートナット
それぞれネジの固定方法について、用途や材料、固定の際の長所、短所をまとめました。
1.タッピングビス
雌ネジのタップを立てる作業を省いてボス穴だけを部品に配して簡単にタッピングビスを使って固定ができるので特徴です。
おすすめ材料
タッピングビスを使用する場合、延性や引張特性に優れた材料の使用を推奨します。SLSではFuse 1+のNylon 11やNylon 12、SLAではForm 4 シリーズの Tough 1500 レジン V2 や Tough 2000 レジン V2 レジンは以前のToughレジンからネジに対する耐久性が大きく向上しています。
長所
・最小限の道具と時間でネジ固定が可能。
短所
・繰り返しの分解に不向き
・強度、耐久性は劣る
2.3Dプリントされた雌ネジ
使用する任意のネジに対してデータの段階で雌ネジを作成して固定する方法です。
M6以上のネジで0.1のクリアランスにすることでネジの精度が適度に保たれます。
おすすめ材料
SLAでは程良い弾性や靱性のあるTough 1000 レジン V1やTough 1500 レジン V2を使用することで固定力や破損の可能性が軽減されます。また、静電気放電性の機能をもったESD レジンを使えば電子部品を使った筐体の使用も可能になります。SLSではNylon 11やNylon 12です。
雌ネジと雄ネジを(M10)3Dプリントすることで金属を使用することなく十分な締め付けも可能です。
長所
・3Dプリント製雌ネジと合わせることでカスタム設計が可能。
・金属が使用できない条件下での運用が可能
短所
・繰り返しの分解が必要な箇所には向かない。
・精密なネジやM6以下のネジは機能しない可能性がある。
3.熱圧入式インサートナット
SLSパウダー系の熱可塑性樹脂に対して使用できる手法です。はんだごてや専用の道具を使用してインサートナットに熱を加えて周囲の樹脂をとかして圧入、冷えて固まることで強固なネジ穴を作ることができます。
※1SLA光造形レジンのような熱硬化性の性質を持つ樹脂の場合は接着剤を使用することで取り付けが可能になります。ボス穴をインサートナットの外径に合わせて設計し、ボス穴にシアノアクリレート系やエポキシ系の接着剤を流し込み確実に工程します。十分な時間を置いて接着剤が硬化していることを確認してください。
おすすめ材料
長所
・樹脂が溶けてインサートナットと強く結合
・金属製のネジで強度と耐久性が大きく向上
短所
・熱によって歪む可能性
・熱による結合は熱可塑性樹脂のみ可能
4.ナットや四角ナットポケット
前述と同じく金属同士のネジ固定が可能な手法です。圧入を使用せずナットを入れるポケットをデータで作成して嵌合します。その際、ナットを入れるためにアクセスしやすいスペースを確保する必要があります。また、熱による圧入や拡張式圧入が母材と相性が悪い場合にも適しています。
おすすめ材料
SLAではナットをポケットに固定する場合は Tough 1500 レジン V2 , Tough 2000 レジン V2等を使用すると手で挿入する程度の固定に最適です。SLSではNylon 11が推奨されます。
長所
・導入が容易
・データの作成が容易
短所
・ナットを入れるためのアクセスを考慮する必要がある
・振動が加わる環境下での使用はナットが緩む可能性
5.ナットを嵌め込む

ナットを嵌め込む形状を設計段階で使用する手法です。特にクランプや反対側から締め付けて固定する用途で強い結合が可能になります。
おすすめ材料
SLAでは高強度な材料であるTough 2000 レジン V2やBlack レジン , clear レジンがおすすめです。SLSではNylon 11 , Nylon 12です。
長所
・クランプ形状や反対側からの締め付けで強い締め付けが可能
・交換が容易
短所
・抜け方向へのネジ固定には不向き
・接着剤が必要な可能性もある
6.3Dプリント製部品にタッピング
3Dプリント製部品に直接タッピングを行う手法です。部品コストを削減できます。2で紹介した3Dプリントされた雌ネジではできなかったM5以下のネジも可能になります。プロトタイプでの使用や強度を必要としない部品等を推奨します。
おすすめ材料
SLAではTough 1500 レジン V2 , Tough 2000 レジン V2がタッピングに最適です。静電気放電性の機能をもったESD レジンを使えば電子部品を使った筐体の使用が可能になります。
長所
・シンプルで迅速な対応
・強度を必要としない箇所には幅広い設計自由度がある。
短所
・組み立てを繰り返す使用は不向き
・入り組んだ形状等、タッピングの道具が入らない場合がある
7.拡張式インサートナット

熱を使用せず樹脂の圧力のみで嵌合する手法です。主に熱硬化性樹脂であるSLAレジンに対して効果を発揮します。
※SLA光造形方式に対して拡張式インサートナットを使用する場合は通常通り造形と洗浄をした後に二次硬化の前にインサートナットを取り付けます。そうすることでインサートが母材を圧迫した際に亀裂が入る可能性を軽減できます。
おすすめ材料
SLAではTough 1000レジン V2 , Tough 1500 レジン V2を使用することで押し広げても割れずに伸びるしなやかさでしっかりとインサートが固定されます。SLSでもNylon 11 , Nylon 12で使用可能です。
長所
・分解を繰り返す部品に最適
・対応可能な材料の幅が豊富
短所
・クリアランスによっては亀裂が入りやすい
・専用道具が必要
今回は7種類のネジの固定方法をご紹介しました。3Dプリント自体の設計自由度が非常に大きいので工夫次第では既存のあらゆるネジ部品や金属性の部品と組み合わせることが可能です。少しでも開発や研究のお役に立てれば幸いです。
※こちらの記事はFormlabs社の記事を転載しています。
本記事に関するお問い合わせ先
株式会社YOKOITO セールスチーム

















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